女性のお悩みで多い冷え性対策に活用されることの多いショウガには、体を温める以外にもさまざまな効能があるのをご存じでしょうか?今回はそんなショウガの効能や、効果を得るためのおすすめの食べ方についてご紹介します。最後には、管理栄養士がおすすめする簡単ショウガレシピもご紹介するので、ぜひ試してみてください。
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[1]ショウガの特徴的な栄養素とは
ショウガには女性にうれしいさまざま効能に期待できる栄養素が含まれています。今回は、ショウガの栄養素の中でも特に知っておきたい代表的な4つの栄養素をご紹介します。
◇ジンゲロール
生のショウガに豊富に含まれる辛み成分がジンゲロールで、口に入れるとすぐに辛みを感じるのはこのためです。ジンゲロールには抗酸化作用があり、細胞の老化を抑えることでアンチエイジング効果に期待できます。
また、末端への血流が良くなることで手足を温めたり、殺菌の効果も期待できます。
◇ショウガオール
ショウガオールは、ジンゲロールと同様にショウガの辛み成分ですが、生のショウガにはほとんど含まれません。乾燥させたり加熱したりすることで、生のショウガに含まれるジンゲロールの成分の一部が変化することでできるのが、ショウガオールという成分なのです。
このショウガオールには血行を良くする作用があるため、体の芯から温めてくれる発熱・保温効果や、痛みを和らげてくれる鎮痛効果が期待できます。そして、ジンゲロールよりも強力な殺菌・抗酸化作用・ダイエット効果・美肌効果などもあるといわれています。
◇ジンゲロン
ショウガオールと同様に、ジンゲロンもジンゲロールの成分の一部が変化してできるものです。胃液の分泌を高めることで消化や食欲を促進したり、血行を良くすることで、冷え性改善や便秘解消が期待できます。
◇食物繊維
意外に思われるかもしれませんが、ショウガには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維には腸をキレイに掃除してくれる整腸作用があるため、便秘の解消を期待できたり、急激な血糖値の上昇や、コレステロールの吸収を抑えたりする働きがあるため、食べ過ぎの予防や肥満防止に効果を発揮します。
「シンゲロール」を加熱、乾燥させてできる「ショウガオール」「シンゲロン」という成分は、まったく別ものであり、含まれる成分も違います。ショウガを生で食べるのと、加熱するのでは、摂取できる栄養素が異なるため、期待できる効果、効能も変わってくるのです。
[2]ショウガを食べてデトックス! 女性にうれしいショウガの5大効能について
いろいろな栄養素を含むショウガですが、具体的にはどんな効能があるのか代表的な5つの効果を分かりやすく説明していきます。
◇基礎代謝をアップさせる
ショウガには体を温めてくれる作用があり、特にショウガオールには、体の芯から温めることで体全体の血行を良くしてくれる働きがあります。血行が良くなるとことで体温が上がる効果があります。体温が1℃上がると基礎代謝は約12%もアップするといわれており、代謝をアップさせるためには体温を上げてあげることが重要になります。
◇便秘解消でデトックス効果
ショウガには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維が水分を吸収することで便を柔らかくしたり、不要なものを包み込んで便として体の外に排出してくれる作用があります。食物繊維の働きにより体の中に不要なものが蓄積されないようにすることで、デトックス効果が期待できるのです。
◇胃腸の働きを活性化させる
ショウガは胃腸の働きを活性化してくれると言われています。体温が上がり代謝がアップすることで、胃腸もしっかりと働くようになり、食べた物がきちんと消化吸収されるため、余分なものが体内に蓄積され太ってしまうことを防ぐ効果が期待できます。
◇風邪予防で免疫力アップ
ショウガには体全体を温め、血行を良くして代謝をアップする作用があります。ウイルスは熱に弱いという性質があるため、代謝を上げて、体をしっかりと温めることで、風邪の大半の原因であるウイルスに負けない体につながります
辛み成分であるジンゲロールには、殺菌作用や抗炎症作用があります。そのため、生姜を食べることで免疫力アップも期待できると言われています。
◇冷え性改善
ショウガに含まれる体を温める成分の代表的なものとしては、ショウガの辛み成分であるジンゲロールとショウガオールが挙げられます。シンゲロールには体の末端(手足など)を温めてくれる作用があります。
一方で、同じ辛み成分であるショウガオールには体の芯から温めてくれる作用があります。そのため、ショウガを加熱したり乾燥したりしたものを摂り入れることで、体全体を温める効果がアップします。
冷え症=低体温は血行や代謝が悪く、免疫力が低下した状態であるため、体を内側から温め冷え性を改善することがとても大切になるのです。
[3]ショウガのおすすめの食べ方とは
ショウガは生と加熱した状態で栄養素が変化するため、調理方法によって得られる効果・効能が異なる食べ物です。ここからは、ショウガの調理法による違いや、おすすめの食べ方について詳しく説明していきます。
◇生で食べるのがおすすめなのは
生のショウガには辛み成分であるジンゲロールが豊富に含まれています。ジンゲロールには殺菌作用があるため、風邪の引き始めで喉の痛みがある時などには、すりおろしたものを麺類や豆腐、焼き魚、肉料理などに乗せて食べることをおすすめします。他にも、同じような殺菌作用のある生蜂蜜と混ぜ合わせて食べるのもおすすめです。
おろしたショウガに含まれるジンゲロールの成分は空気に触れることで減少してしまうため、食べる直前にすりおろすことをおすすめします。もしくはまとめてすりおろしたものを冷凍保存して使用するのも良いでしょう。
時間がない時にチューブのおろしショウガを使用するのも良いですが、チューブのものはショウガ以外のもの(添加物など)も含まれているため、きちんとした効果を得たい場合にはあまりおすすめできません。
◇加熱・乾燥したのがおすすめなのは
生のショウガを加熱したり乾燥したりすることで、ショウガオールとジンゲロンが増えます。そのため、体の芯から温めて、冷え性を改善したり、免疫力をアップしたり、代謝をアップさせたりしたい場合には、すりおろしたものを料理に加えて加熱してあげることをおすすめします。
もし、すりおろすことを手間に感じる場合には、乾燥させた粉末のショウガを活用してあげるのも良いでしょう。
[4]ショウガを食べる時に気をつけたいこと
◇食べ過ぎには要注意
ショウガは一度に過剰摂取すると、消化器官に負担をかけてしまうため、胸やけや下痢などを引き起こしたり、汗をかきすぎたり、発熱したりするなどの不調を引き起こす可能性があると言われています。そのため、1日に摂取する目安量としては、生のショウガで1日10g位まで、乾燥のショウガで3g位までに抑えておくのが良いでしょう。
生姜の温め効果の持続は1回に取り入れる量に関わらず約3時間であると言われています。そのため、1日の目安量を1回で摂り入れるのではなく、数回に分けて摂り入れることで、より効果を長く感じることができるのでおすすめです。
◇妊婦中や高血圧、糖尿病の方は、主治医に相談してから
妊娠時のショウガの摂取に関しては意見が賛否あります。また、高血圧や糖尿病の方には、血行を良くすることが悪影響を引き起こしてしまうこともあるともいわれています。
神経質になる必要はありませんが、ショウガを食べても良いのか迷う場合には、担当医や薬剤師などの医療従事者や、管理栄養士などの食のプロに相談してから取り入れることをおすすめします。
[5]ショウガを美味しく効果的に摂り入れよう! 管理栄養士おすすめのショウガ使った簡単レシピのご紹介
◇【ショウガはちみつ】
<材料>
- ショウガ 50g
- はちみつ 200g
<作り方>
~スライスバージョン~
- ショウガは洗って、汚れている部分を取り除き、薄くスライスする。
- ショウガが苦手な方の場合には、サッと水にさらし、水気をしっかりと切る。
- 煮沸消毒した瓶に2のショウガとはちみつを入れる。(ショウガ全体がはちみつに浸らない場合にははちみつの量を増やす。)
- 涼しい場所で保管して1日~1週間ほど寝かせたらできあがり。
~すりおろしバージョン①~
- ショウガは洗って、汚れている部分を取り除き、すりおろす。もしくは、千切りしてフードプロセッサーにかける。
- 煮沸消毒した瓶に1のショウガとはちみつを入れる。
- 涼しい場所で保管して1日~1週間ほど寝かせたら出来上がり。
~すりおろしバージョン②~
- ショウガは洗って、汚れている部分を取り除き、すりおろす。もしくは、千切りしてフードプロセッサーにかける。
- 小鍋に1のショウガとはちみつを入れて火にかける。ふつふつしてきたら弱火にしてぽってりなるまで混ぜて、火を止める。
- 煮沸消毒した瓶に2を詰めたら出来上がり。
[6]ショウガを上手に活用して健康的な体を手に入れよう!
ショウガは調理方法よって得られる効果・効能が変化する面白い食べ物です。生姜の特徴を上手に活かしながら、毎日の食生活に取り入れることで、ぜひ健康的な体を手に入れてくださいね。