七草粥の簡単な作り方をご紹介! 管理栄養士のおすすめレシピ3選

七草がゆ レシピ

年末年始の暴飲暴食・寝正月で疲れた胃に優しい七草粥は、古来、日本に伝わる文化として知られていますよね。とはいえ都会などでは七草自体を手に入れるのが難しかったものです。しかし、最近ではお正月が過ぎると、スーパーなどでも「七草粥セット」として七草が売られるようになりました。今回は、そんな七草粥に使われる七草に込められた意味や、効果、そして管理栄養士のおすすめレシピをご紹介します。

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目次

[1]七草粥ってどんなもの?

◇七草粥とは

1月7日の朝に、春の七草である「芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)」で作ったお粥のことをいいます。

◇七草粥を食べる理由

正月明けに七草粥を食べるようになった理由は、早春にいち早く芽吹く生命力の強い七草をいただくことで、その年1年間の無病息災と長寿健康を願うためだといわれています。
また、一般的に七草粥を食べる1月7日頃は、正月飾りを飾る「松の内」と呼ばれる期間の最終日であり、お正月の終わりを意味する日でもあるため、お正月の終わりに年末年始のご馳走やお酒で疲れてしまった胃腸を休ませてあげるという意味を込めて食べるともいわれています。

[2]七草の種類とそれぞれの効果とは

それではここからは、七草粥に使用される春の七草にはどんなものがあるのか、その効果と共に詳しく説明していきます。

◇芹(せり)

「競り合うように育つ」ことからその名がついたセリ科の植物であり、競り勝つということにかけて縁起物としても利用されています。食欲を促進してくれる独特の香りがあり、血液をサラサラにしたり、鉄分を豊富に含み造血作用が期待できたり、腸内環境を良くしてくれたりと、いろいろな効果を期待することができる栄養価の高い植物です。
ビタミンAやC、カルシム、カリウム、リンなども豊富に含まれているので、七草粥でなくても、お浸しやあえ物などにして普段の食卓に取り入れるのもおすすめです。

◇薺(なずな)

ぺんぺん草という名前の方がなじみがあるという人が多い植物です。道端でよく見かける植物でもあるため、雑草と思われがちですが、「なでて汚れを取り払う」ということから縁起のいい植物とされています。昔から民間療法として使用されることが多く、解熱効果や利尿作用、便秘・下痢の解消、高血圧の抑制、止血効果などに効果的であるといわれています。

◇御形(ごぎょう)

朝鮮半島から伝わってきたといわれているキク科の植物です。咳止め効果や痰切り効果、のどの炎症の抑制、利尿効果、むくみ防止などが期待できます。

◇繁縷(はこべら)

中国では昔から薬草として使用されており、「繁栄がはびこる」ということから縁起物ともされているナデシコ科の植物です。歯槽膿漏の予防利尿効果、鎮痛作用、止血効果などが期待できます。また、タンパク質やビタミンB群・C、カルシウム、カリウム、カロテノイド、フラボノイドなど様々な栄養素が含まれているのも特徴の1つです。

◇仏の座(ほとけのざ)

地面に広がる葉の形が仏の連座に見えることからその名前がつき、黄色の花を咲かせるキク科の植物です。ピンク色の花を咲かせるホトケノザという同じ名前のしそ科の植物がありますが、これは食べることができないため注意が必要です。高血圧の予防や腸内環境を整えたり、胃を丈夫にするなどの効果が期待できます。

◇菘(すずな)

すずなという言葉は聞きなれない方も多いかと思いますが、カブのことを指します。今ではスーパーでも普通に並んでいる野菜ですが、「神様を呼ぶための鈴」に見た目が似ているということから「すずな」と呼ばれています。利尿効果や便秘解消、風邪予防、腹痛予防、骨粗鬆症などに効果が期待できます。
また、カブは、根の部分と葉の部分で栄養素が異なるという特徴があり、七草粥に使用される葉の部分には、たんぱく質やビタミンC、β-カロテン、ビタミンEなどが豊富に含まれています。

◇蘿蔔(すずしろ)

すずしろも聞きなれない言葉ですが、大根のことを指します。「けがれがない白」ということから「すずしろ」と名付けられたといわれています。食欲や消化の促進、二日酔いの予防、冷え性の改善、風邪の予防など、さまざまな効果を期待することができる食材とされています。
根、葉、共に栄養素が豊富に含まれており、代表的なものが食物繊維やビタミンA・C、ジアスターゼ、アミラーゼです。そして、根の部分には消化の働きをサポートするジアスターゼが、葉の部分には現代人に不足しがちなビタミンやミネラルが豊富に含まれているため、可能であれば根も葉も両方を入れて作ることをおすすめします。

七草がゆ 作り方

[3]七草粥の簡単な作り方をご紹介! 管理栄養士おすすめレシピ3選

一言で七草粥とはいっても、その作り方は1種類ではありません。そこで、今回は七草粥の作り方を調理器具やお米の状態別に3通りご紹介します。ぜひ、ご自身が一番作りやすいレシピで挑戦してみて下さい。

◇鍋・土鍋を使った七草粥の作り方

▼生米から七草粥を作る方法

<材料>

  • 米 1/3合
  • 水 400ml
  • 春の七草 1パック(市販品のセットがおすすめです。)
  • 塩 少々

<作り方>

  1. 七草を洗い、水気を切る。すずなとすずしろの実の部分は食べやすい大きさ(半月もしくはいちょう切り)の薄切りにする。
  2. 鍋にお湯を沸騰させて、塩をティースプーン1杯ほど入れて溶かしたら、1を加えて2~3分食べやすい柔らかさになるまでゆでる。ちょうどよい柔らかさになったら、バットやざるの上に取り出し冷ましておく。
  3. 2の鍋を再度に火かけて沸騰させる。沸騰したら葉ものを茎から入れてサッと茹でる。冷水に取り上げて、冷めたら水気を絞り、食べやすい大きさに切る。その後さらに水気を絞る。
  4. 米を研ぎ鍋に米と分量の水を入れて、中火にかける。
  5. ふつふつしてきたら弱火にして、1度しゃもじで底からかき混ぜる。
  6. ふたを少しずらしてかぶせてから、弱火で約40分コトコト煮込む。(途中、吹きこぼれないよう、火加減には注意が必要です。)
  7. お粥が炊けたら、好みの塩加減になるように塩を加えて、2と3を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。

▼冷ご飯・ご飯から七草粥を作る方法

<材料>

  • ごはん 茶わん軽く1杯
  • 水 500ml
  • 春の七草 1パック(市販品のセットがおすすめです)
  • 塩 少々

<作り方>

  1. 七草を洗い、水気を切る。すずなとすずしろの実の部分は食べやすい大きさ(半月もしくはいちょう切り)の薄切りにする。
  2. 鍋にお湯を沸騰させて、塩をティースプーン1杯ほど入れて溶かしたら、1を加えて2~3分食べやすい柔らかさになるまでゆでる。ちょうどよい柔らかさになったら、バットやざるの上に取り出し冷ましておく。
  3. 2の鍋を再度に火かけて沸騰させる。沸騰したら葉ものを茎から入れてサッと茹でる。冷水に取り上げて、冷めたら水気を絞って、食べやすい大きさに切る。その後さらに水気を絞る。
  4. 鍋にごはんと水を入れて、中火にかける。
  5. ふつふつしてきたら弱火にして、フタを少しずらしてかぶせて15分くらいコトコト煮込む。(ご飯が柔らかくなる前に水が減ってしまった場合には、適宜、水を追加してください。)
  6. ごはんが柔らかくなってきたら、塩で味を整えて、2と3を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。

◇炊飯器を使った七草粥の作り方

<材料>

  • 米 1/2合
  • 水 適量
  • 春の七草 1パック(市販品のセットがおすすめです)
  • 塩 少々

<作り方>

  1. 七草を洗い、水気を切る。すずなとすずしろの実の部分は食べやすい大きさ(半月もしくはいちょう切り)の薄切りにする。
  2. 鍋にお湯を沸騰させて、塩をティースプーン1杯ほど入れて溶かしたら、1を加えて2~3分食べやすい柔らかさになるまで茹でる。ちょうどよい柔らかさになったら、バットやざるの上に取り出し冷ましておく。
  3. 2の鍋を再度に火かけて沸騰させる。沸騰したら葉もの部分を茎から入れてサッと茹でる。冷水に取り上げて、冷めたら水気を絞って、食べやすい大きさに切る。その後さらに水気を絞る。
  4. 炊飯釜にお米を入れて、お粥の線まで水を加えて、お粥モードでスタートボタンを押す。
  5. 炊き上がったら、塩と2、3を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。

※お粥モードがない場合には、0.5合のお米に500mlの水で炊くと良いでしょう。

◇七草粥を作る際の注意点について

七草粥は冷めると味が落ちやすく、七草の色味も悪くなってしまいます。そのため、七草粥は作り置きはせず食べる時に作るように心がけ、できたてをすぐに食べるようにしましょう。

[4]1月7日に七草粥を食べて、無病息災を祈ろう!

普段、お粥を食べるという人は少ないかもしれません。しかし、年末年始に疲れたそんな胃腸を休ませてあげると共に、今年1年の無病息災を祈るためにも、今年は手作りの七草粥を作ってみませんか?

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