「甘酒」は、ここ数年の発酵ブームで注目を浴びるようになりました。「体に良いということは聞いたことがあるけれど、実際にどうやって摂り入れたらいいのか分からない...」という方のために、今回は甘酒の健康・美容効果についてご紹介します。管理栄養士がおすすめする甘酒レシピもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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[1]甘酒とは
甘酒=お酒をイメージする方が多いかもしれませんが、実は甘酒と呼ばれるものには2種類あります。
◇米麹甘酒
米が麹菌により発酵することで作られる甘酒です。こちらの甘酒は、酒という名前がついてはいるもののアルコールは含まれていないため、子供も安心して飲むことができます。ここ数年の、発酵ブームで注目を浴びている甘酒はこの「米麹甘酒」を指します。
◇酒粕甘酒
酒粕を水で溶いて、砂糖を加えて好みの甘さに味付けして作られる甘酒で、アルコールが含まれています。作る過程で加熱されてはいますが、酒粕に含まれているアルコールが全て飛ぶわけではないため、アルコールに弱い人や子どもは摂取を控えることをおすすめします。
もし口にする場合には、しっかりと加熱してアルコールを完全に飛ばしてください。
[2]飲む点滴ともいわれる「米麹甘酒」で期待できる5大効能
米麹甘酒は、「飲む点滴」「飲む美容液」など、いろいろな呼び方をされており、私たちにとってうれしい、健康・美容効果があるといわれています。ここからは期待できる具体的な効果についてご説明します。
◇米麹甘酒が「飲む点滴」といわれる理由とは?
米麹甘酒には私たちにとってうれしい栄養素がいろいろ含まれており、その代表的なものは以下の通りです。
- ブドウ糖
- ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6、葉酸)
- 必須アミノ酸9種類(バリン・イソロイシン・ロイシン・メチオニン・リジン・フェニルアラニン・トリプトファン・スレオニン・ヒスチジン)
- コウジ酸
- オリゴ糖
- 食物繊維です。
これらの成分は点滴に含まれている成分と同じものなので、米麹甘酒は「飲む点滴」というように呼ばれるようになったといわれています。
◇米麹甘酒に期待できる5大効能
▼ダイエット効果
米麹甘酒に含まれている「ブドウ糖」は、摂取後すぐにエネルギーとして使用されるという特徴があり、また、摂取することで満腹中枢を刺激するため満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎを防いでくれる働きがあります。
そして、甘酒に含まれているアミノ酸の中の1つである「GABA」には、血液中の中性脂肪やコレステロールをコントロールし、脂質代謝を促す効果があるといわれているため、普段利用している甘みを米麹甘酒に置き換えるなどして使用し続けることで、ダイエット効果が期待できるといわれています。
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◇コンブチャクレンズ
全米で大ブームの最新ドリンク「コンブチャ」に日本人向けのオリジナルレシピを加えて、より理想のボディにフォーカスしたのが「コンブチャクレンズ」。2つのプレミアム酵母や、酵素、スーパーフードなど美容やダイエットのサポート成分が220種類以上配合されています。
▼美肌効果
甘酒に豊富に含まれている「コウジ酸」には、メラニン生成を抑えてしみやそばかすを防ぐなどの効果があるといわれています。また、皮膚や粘膜を保護して肌を活性化させる働きのある「ビタミンB群」も豊富に含まれているため、美肌効果を期待できます。
甘酒は口から摂取することでその効果を得ることができるだけでなく、パックなどで肌に直接塗ることでも美肌効果が得られるため、ぜひ試してみてください。
▼疲労回復効果
人は体内のエネルギーが不足すると疲労を感じやすくなります。米麹甘酒に含まれる「ビタミンB群」には、美肌効果だけでなく、糖質をエネルギーに変えるための代謝を助ける働きがあり、摂取することでエネルギーが効率よく体に行き渡るため、疲労回復効果が期待できるといわれています。
また、米麹甘酒に含まれている「ブドウ糖」には、体に摂り入れるとすぐにエネルギーとして使用されるという特徴があり、疲れている時に摂取すると、少ない時間で疲労回復効果を得られやすいという点もうれしいポイントです。
▼便秘の改善・解消効果
米麹甘酒には、食物繊維やオリゴ糖、植物性乳酸菌などが豊富に含まれています。これらの栄養素には、腸内に善玉菌を増やして、腸内環境を整える働きがあります。そのため、便通の改善につながります。
また、便通が改善して腸内環境が整うことで、体の中に老廃物が蓄積することで引き起こされる、吹き出物や肌荒れなどの肌トラブルを抑えることも期待できます。
▼胃腸を休ませる
米麹甘酒に含まれる「ブドウ糖」は、米麹や米が麹菌によって発酵され分解されて生成されたもののため、すでにある程度分解されており、体に入ってエネルギー源として吸収される際に消化器官に負担をかけづらいという特徴があります。
また、ブドウ糖だけでなく、ビタミンB群や食物繊維、オリゴ糖、ミネラル、100種類以上の酵素、必須アミノ酸など点滴と同じ成分が豊富に含まれているため、効率よく栄養を摂取することができます。そのため、働き過ぎて疲弊している胃腸を休ませるために、緩いファスティングを行う時などに使用するのもおすすめです。
[3]甘酒はどう選ぶのがいいの? 購入時の注意点について
栄養価も高くいろいろな効果を得ることができる米麹甘酒は、簡単に手作りすることができますが、今は市販の商品もたくさんあるため、気軽にいろいろな商品を試して自分のお気に入りを見つけてみるのもおすすめです。しかし、米麹甘酒による効果を得るためには、商品を選ぶ際に気を付けるべきポイントがいくつがあります。
◇添加物が使用されていないものを選ぶ
本来、米麹甘酒は米と麹と水だけで作ることができます。しかし、残念なことに市販されている商品の中には、質の悪い原材料を使用し、「美味しくするため」「コストを抑えるため」「賞味期限を延ばすため」など、さまざまな理由のために添加物を加えて作られているものもあります。
商品のラベルに記載されている原材料をきちんと確認してから購入するようにすることをおすすめします。
◇砂糖が使用されていないものを選ぶ
本来の米麹甘酒は、米が麹菌により発酵・糖化され「ブドウ糖」が生成されることにより甘みが生じています。しかし、砂糖を加えて甘みをつけている商品は、正常な発酵や糖化が行われていない可能性があり、そういった商品を摂取しても、米麹甘酒に含まれるブドウ糖による効果を期待することはできません。
商品を購入する際には、砂糖が含まれているものは避けるようにしましょう。
◇米の質を確認しよう
甘酒の原材料である米と米麹ですが、市販されている商品がどのような米を使用して作られたものなのかを調べてから購入するのもおすすめです。あまりにも安い商品の場合、中国産の米が使用されていることがあり、さらに、玄米や発芽玄米が含まれたものの場合は残留農薬の危険性も高まるので注意が必要です。
また、お値段が通常より高くはなってしまいますが、可能であれば、無農薬や自然栽培など安全な米を使用したもを選ぶことをおすすめします。
◇非加熱のものを選ぶ
市販の商品のうち、常温で販売されているもののほとんどは、加熱処理を施されてから出荷されています。酵素は65℃以上の熱で失活してしまうため、基本的に常温で販売されている市販の甘酒は酵素が失活していると考えるのが一般的です。
一方、冷蔵で販売されている甘酒の中には「非加熱製品」もあり、そういった製品を選ぶことで、ブドウ糖の働きの他に、酵素による効果も期待することができます。酵素には、たんぱく質を分解する働きがあるため、肉や魚を下処理の段階で甘酒に漬け込むと、旨みをアップさせるだけでなく、柔らかくしてくれる効果が期待できます。
非加熱で、酵素の活性が失われていない甘酒を選ぶことで、食材をより美味しく変化させてくれる効果も期待できるという点も嬉しいポイントです。
[4]甘酒の上手な飲み方とは
◇甘酒はいつ、どうやって飲むのが良い?
基本的に甘酒を飲む時間に決まりはありません。自身が求める効果によって変えることをおすすめします。
▼栄養補給のため
米麹甘酒は、ブドウ糖がすぐにエネルギーに変換されて使用されるという特徴があります。そのため、頭を働かせたい時や疲れを感じている時の栄養補給として飲むのもおすすめです。
▼ダイエット効果を期待する場合
米麹甘酒には点滴と同じ栄養素が含まれているため、それだけで必要な栄養素を効率的に摂取することができます。
ダイエットのために甘酒を摂り入れるのであれば、いつもの食事に甘酒をプラスするのではなく、「おやつを甘酒に置き換える」「一日一食を甘酒に置き換える」など、いつも摂取しているカロリーを米麹甘酒に置き換えるなどの方法で採り入れるのがおすすめです。
しかし、米麹甘酒は「飲む点滴」ともいわれてはいるものの、即効性のある薬などとは違い普通の飲み物の一種のため、たくさん飲んだからといって急激に効果が得られるものではありません。あくまでも食品の一種として、適量を摂取するようにしましょう。
◇甘酒を飲む量はどのくらい?
甘酒は栄養価が高い飲み物ではありますが、100ccで81kcalあるため、通常の食事に追加して毎日多量に取り続けることは、カロリーオーバーという面でもおすすめできません。どんなに多くても1日に200mlを超えないように注意しましょう。
朝の食事を甘酒に置き換えたり、週2~3回程度飲み物として取り入れたり、毎日の料理に砂糖の代わりの甘味料として取り入れるなど、普段摂取しているものの代替として摂取することをおすすめします。
[5]管理栄養士がおすすめする甘酒と甘酒を使った料理やスイーツレシピ
◇手作り甘酒レシピ
<材料>
- 米麹 400g
- 水 3カップ
<作り方>
- 米麹を手でしっかりとほぐす。
- 米麹と水を合わせてよく混ぜ合わせる。
- ヨーグルトメーカーなどの保温容器を使い、60℃で約8時間保温する。
《炊飯器で作る場合》
1. 60℃くらいに温めたお湯を使用し、炊飯器で約8時間保温する。
《保温瓶で作る場合》
1. 鍋に水を入れて火にかけ60℃くらいまで温め、麹を加え混ぜ合わせる。
2. 65℃くらいまでに温度が上がったら、保温瓶に移して約8時間保温する。途中で温度を確認し、温度が下がりすぎている場合には、一度鍋に移動して温め直した後、再度保温瓶に移す。
◇甘酒料理レシピ【鶏肉の甘酒うま煮】
<材料>
- 鶏のスペアリブ(もしくは手羽元)500g
- 水 カップ1
- 米麹甘酒 大さじ3
- 醤油 大さじ1
<作り方>
- 鶏肉は浄水で洗って、水気をしっかりと切る。
- 鍋に鶏肉を並べて、両面に焼き色がつくように焼く。
- 焼き色がついたら、いったん鶏肉を鍋から取り出し、鍋の油をキッチンペーパーでふき取る。
- 鍋に鶏肉と水、甘酒、醤油を加えて強火にかける。
- 沸騰したら弱火にしてアクを取り除く。
- 落し蓋をして約20分煮込む。
- 落し蓋を外し、強火にして鶏肉に照りがつき、煮汁が少なくなったら出来上がり。
◇甘酒スイーツレシピ【甘酒プリン】
<材料>
- 豆乳 1カップ
- 米麹甘酒 1/2カップ
- 卵 2個
<作り方>
- ボウルに卵を割り、溶きほぐす。
- 豆乳と甘酒をよく混ぜ合わせる。
- 1のボウルに、豆乳と甘酒を少しずつ加えながらよく混ぜ合わせる。
- 3を茶こしでこす。
- 耐熱容器に4を注ぐ。
- 蒸し器の下段に水を入れて火にかける。蒸気が上がってきたら上段に5を並べて、フタをして弱火~中火で約20分蒸す。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。寒い季節には温かいまま食べても美味しいです。
[6]甘酒を毎日の生活に上手に取り入れて健康を手に入れよう
米麹甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど、栄養価の高い食品です。そのまま摂取するだけでなく、料理やスイーツに砂糖代わりに使用すると、無理なく生活に取り入れることが可能です。米麹甘酒を上手に毎日の生活に取り入れることで、ストレスなく健康と美を手に入れましょう。
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