妊娠すると体にはさまざまな変化が現れます。その中でも『むくみ』は、妊娠中の多くの女性が体験する不快な体の変化の一つです。今まで経験したことのない症状に「妊娠前には、むくむことなんてほとんどなかったのに…」と心配になってしまう人もいるはず。そこで今回は、妊娠中のむくみの原因と知っておきたい解消法をご紹介します。
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妊娠中のむくみの原因とむくみが出やすい時期とは?
妊娠中は、むくみを感じる人が非常に多いといわれています。妊娠前に比べて体のむくみを感じることが多くなり、自分の体に一体何が起きているのか心配になりますよね。ここでは、妊娠中のむくみの原因について解説します。
妊娠中のむくみとはどのようなもの?
妊娠中のむくみは、手足や顔に起こることが多いといわれています。特に足に起こりやすく、足首からふくらはぎがパンパンに腫れてしまうこともあり、ひどい人は靴に足が入らなくなることも。「太ったかな?」と思っていたらむくみによる体重増加だったということもあるので、気になる方はむくみをチェックする方法を試してみてください。
<むくみチェック>
向こうずね辺りを5秒ほど強く押し、離した時にその箇所がへこんでなかなか戻らないようならむくんでいる可能性があります。
妊娠中のむくみの原因
▼妊娠中の体の変化によるむくみ
妊娠すると、エストロゲンやアルドステロンというホルモンの影響や、また血管の通りを良くして胎児にたくさんの栄養を送るために血液中の水分量が増加します。その水分が細胞にもいきわたることから、むくみやすくなるといわれています。
▼妊娠中の体型によるむくみ
胎児の成長に伴い、胎児の重みで骨盤内の血管が圧迫されます。すると、下半身の血流が心臓に戻りにくくなり血の巡りが悪くなることから、妊娠中はむくみが起きやすくなるといわれています。
▼妊娠中の病気によるむくみ
妊娠中のむくみで一番気をつけなければならないのが、『妊娠高血圧症候群』によるむくみです。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩後12週までに高血圧が見られる状態のことを言います。
妊娠高血圧症候群は主に、『高血圧』『蛋白尿』『浮腫(むくみ)』といった症状が現われ、重症化すると母体がけいれん発作を起こしたり、早期胎盤剥離を起こしたりと、母子ともに非常に危険な状態となる場合があります。妊婦検診で発見されることがほとんどですが、あまりにもむくみがひどい場合、かかりつけの産婦人科医に相談をしてみましょう。
妊娠中のむくみはいつから出やすいのか
妊娠中のむくみの出やすい期間は人によっても多少異なるようですが、基本的には妊娠中期といわれる妊娠20週頃から妊娠後期といわれる妊娠28週頃、さらに臨月頃にも現われやすいといわれています。
妊娠中のむくみの解消法とは?
塩分を控える
妊娠中の一日当たりの塩分摂取量は7~8g以下が良いとされ、妊娠前の一日の塩分接種量の10g以下に比べ少ない量が推奨されています。つまり、妊娠中は妊娠前よりも、塩分接種量を意識した食事を心がけることが大切です。妊娠中の塩分の摂りすぎはむくみの原因といわれています。むくみの症状が出やすい人は、まずは塩分を控えるところから始めましょう。
カリウムを含む食べ物を摂取
妊娠中のむくみを解消するためには、むくみの原因となる塩分の排出を促すことが大切です。この場合、『カリウム』を多く含んだ食材を積極的に取り入れるようにしましょう。カリウムを多くを含む食材は以下の通りです。
・パセリ
・アボカド
・納豆
・ほうれん草
・大豆
・里芋
・昆布
・わかめ
・バナナ
これらの食材には、余分な塩分を尿として排出する働きがあるといわれています。妊娠中むくみが気になる人は、食生活に積極的に取り入れてみましょう。ただし、カリウムの過剰摂取は頻尿などの症状を引き起こし、体に負担をかけてしまう可能性もあるため注意が必要です。
妊娠中のカリウムの1日当たりの摂取量は3500mgが目安であるといわれているため、1回の食事に上記の食材を使った料理を1~2品加えるなどしながら、バランスの良い食事を心がけてみてくださいね。
水分をしっかりとる
むくみを防ぐために、水分の摂取を控えるという人は多いのではないでしょうか。しかし、妊娠中に水分を控えることは危険を伴うため絶対にやめましょう。
一般的に妊娠していない時に必要な1日の水分量は1.5リットルほどといわれていますが、妊娠中には体の変化に伴い1日2リットルほどの水分を摂取することが推奨されています。安易に水分の摂取量を減らしてしまうと、血液の濃度が高まることによりさまざまな症状が引き起こされてしまう危険性があるため注意が必要です。
反対に、妊娠中は水分摂取を積極的に行うことでむくみを防ぐ効果が期待できるといわれています。なぜなら、妊娠中は血液量が増加するため体がそれに対応するための準備をし始めますが、その際に体に流れ込んでくる水分が少ないと体が危険だと判断し、逆に水分をため込もうとしてしまうからです。
結果的に、水分を控えることでかえってむくみやすい体になってしまうという悪循環になってしまうため、妊娠中も水分は積極的に摂るよう心がけましょう。
体を温める
妊娠中の冷えは、血流を滞らせ、代謝も悪くなることからむくみを悪化させる原因であるといわれています。むくみを改善するためには、体を冷やさないこと、温めることが大切です。むくみを感じやすい場合は足湯をして血行を良くしましょう。
マッサージをする
むくんでいる時はリンパの流れも滞っている場合が多いといわれています。むくみを解消したい場合はマッサージでリンパの流れを改善しましょう。
足の位置を高くしてリラックス
むくんでいる時に手軽に行うことのできる解消法は、あおむけの状態で寝転がり、クッションなどを使って足先を心臓よりも高い位置に上げます。下半身に滞りがちな血液が心臓の方に戻りやすくすることで、血の巡りが改善され、むくみ解消が期待できます。
適度な運動、ストレッチを行う
妊娠中は体型の変化に伴い、どうしても運動不足になりがちです。ふくらはぎの筋肉は、下半身の血液を心臓に押し戻し循環させるポンプのような役割をしているため、使われる機会が減ると血の巡りが悪くなり、下半身がむくみやすくなってしまう原因にもなるといわれています。
妊娠中も毎日10分ほどウォーキングをしたり、マタニティストレッチなどを行って、適度な運動を心がけるようにすることをおすすめします。ただし、体調のすぐれない日や、お腹が張りやすい日の運動は控えましょう。
また、切迫流産・早産の危険性があり、医師から安静を言い渡されている人は、いくらむくみを解消したいからといって運動をしてはいけません。どうしてもむくみを解消したい場合は、かかりつけの産婦人科医に相談してみてください。
着圧タイツ、着圧ソックスを使う
上記の解消法を試してもむくみが気になるという人は、マタニティ用の着圧タイツや着圧ソックスをぜひ試してみてください。行きつけの産婦人科医に相談すると専用のものを紹介してくれる場合もあるので、気になる方はぜひ相談してみてください。
妊娠中のむくみ解消マッサージ法&ストレッチ法とその注意点
最後に、妊娠中のむくみ解消の効果が期待できる、マッサージ法やストレッチ法をご紹介します。家の中で思い立った時にできる簡単な方法ばかりなので、ぜひすぐにでも始めてみてください。
足裏、足の甲マッサージ
- 足首から足の甲を通りつま先までを手のひらでさすります。
- 足の甲の骨と骨の溝の間を、指先の方向に向かって手の親指でさすります。
- 次に、手をグーにして足の裏を押しながらさすっていきます。
- 気持ち良いと感じるくらいに力を入れながら、足の指を一本一本つまんでいきます。
- 足首をつかみ、つかんだまま絞るようにクルクルと回します。
足全体マッサージ
- 軽く足を曲げた状態で、床に座ります。
- 足首からふくらはぎを通って、膝の裏までを手のひらでさすります。
- 今度は、足首からすねを通って膝頭まで手のひらでさすります。
- 膝裏のくぼみを、グーにした手で5秒間押します。これを3回行います。
- 膝裏から、太ももの裏側を通って足の付け根までを手のひらでさすります。
- 膝頭から、太ももの表側を通って足の付け根までを手のひらでさすります。
足指ぐーちょきぱー体操
- ゆったりとソファーなどに座ってください。この時、両足のかかとを揃え、床につけるように座ります。
- 両足の指をグー・チョキ・パーと順番に変化させていき、それを5セット繰り返します。
- 次に、両足首を内回り外回り5回ずつ回します。
かかと上げストレッチ
- ゆったりとソファーなどに座ってください。オフィスの椅子に座っている時でもOK。足の平を揃えて床につけます。
- つま先は床につけたまま、4秒かけて両足のかかとを上げていきます。
- かかとを上げたままの状態を2秒間保ちます。
- 4秒かけてかかとを下ろしてきます。
- ①~④を無理のない範囲で繰り返します。
マッサージ&ストレッチの際の注意点
妊娠中のマッサージやストレッチは、少しでも体調の悪い時や、お腹が張りやすい時は行うのを止めましょう。また、行っている最中に体調が悪くなったり、お腹が張るなどした場合は中止してください。お腹が大きくてやりづらい場合は無理をせず、パートナーに手伝ってもらってください。マッサージもストレッチも、無理をしないことが絶対条件です。
妊娠中のむくみを解消して快適なマタニティライフを
妊娠中のむくみは生理的なものである場合が多いですが、病気が隠れている場合があることも忘れてはいけません。気になる時は、妊婦検診時などでかかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。特に問題なければ、ぜひご紹介した解消法を試して、むくみ知らずの快適なマタニティライフを楽しんでくださいね。