飲み会では楽しい雰囲気も相まって、ついお酒がすすみ過ぎてしまうことも多いもの。しかし、翌日ひどい二日酔いになってしまい反省したという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。二日酔いを予防・緩和する対策を知っておけば、つらい二日酔いに悩まされるのを避けることができます。正しい対策を知って、お酒と上手に付き合いましょう。
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[1]そもそも二日酔いはなぜ起きる?
◇二日酔いのメカニズム
二日酔いは、お酒に含まれるアルコールを、自分の体が備えている代謝能力以上に摂取することによって引き起こされます。
口から入ったアルコールは、まずは20%程度が胃から吸収され、残りのほとんどが小腸から吸収されるといわれています。吸収されたアルコールは血液中に溶け出し、肝臓に送られ、「アセトアルデヒド」と呼ばれる有害物質に分解されたのち、酵素の働きによって無害な酢酸へと変化します。
通常は、酢酸は血液を通して全身に送られるうちに水と炭酸ガスに分解され、、体の外へと排出されます。しかし「アセトアルデヒド」を分解するスピードや量には個人差があるため、体が備えている代謝能力を超えた大量のアルコールが摂取されると、アセトアルデヒドの分解が間に合わず二日酔いの症状を引き起こしてしまいます。
◇二日酔いの症状
二日酔いになると、頭痛や吐き気、胸のむかつきなどの症状が現れます。また、アルコールの利尿作用によって体内の水分が排出されるため、脱水状態に陥り、ひどく喉が乾くこともあります。
[2]二日酔いを防ぐ対策〜飲む前〜
◇アルコールを飲む前に食べるものに気を使う
空腹時にアルコールを摂取すると酔いやすいことは広く知られています。胃や腸内に食べ物が入っていない状態でアルコールを摂取すると、他に摂取する栄養素がないため一気にアルコールが吸収されてしまうため、それを防ぐためには飲む前に何か食べ物を口にしておくことをおすすめします。二日酔いを防ぐために特に効果が期待できるのは、「脂肪」や「クエン酸」「酢酸」を豊富に含んだ食品です。
脂肪は胃の中ではほとんど消化・吸収されず十二指腸で初めて消化が始まるため、消化・吸収に時間がかかります。そのため、胃や腸にとどまる時間が長く、アルコールを摂取する前にお腹に入れておくと、アルコールが吸収されすぎるのを防ぎ、腸での吸収速度を遅らせてくれるといわれています。
また、クエン酸や酢酸には肝臓の働きを活発化させる作用が期待できます。アルコールを飲む前には、あらかじめクエン酸や酢酸を摂取して肝臓の機能を活発化させ、アルコールの分解をサポートしましょう。
◇飲む前に食べると良い食材とは
▼バター
バターには、中鎖脂肪酸など良質な脂肪をふんだんに含んでいるため、二日酔いの予防に効果が期待できる食品といえます。実際にロシアでは、バターやサワークリームを食べることで二日酔いを防ぐ方法が広く浸透しています。
▼ドレッシングのかかったサラダ
ドレッシングにも脂肪分が含まれているため、アルコールの吸収を遅らせる効果が期待できます。飲み会の前に脂肪分を摂取できなかった時は、居酒屋でサラダをオーダーして最初に食べておきましょう。ノンオイルのドレッシングでは脂肪による効果を得ることができないため、オイルが含まれたドレッシングかどうかを事前に確認してくださいね。
▼オリーブオイル
オリーブオイルの中でも、エキストラバージンオリーブオイルは良質な油として知られている食材です。イタリアなど地中海の国では、二日酔いを防止するために飲酒前にオリーブオイルを少量口にする習慣があります。オリーブオイルを飲酒前にスプーン1杯を摂取して、その効果を実感してみましょう。
▼梅干し
クエン酸で肝臓の働きを活性化することも二日酔い防止につながります。梅干しには豊富なクエン酸が含まれているため、肝臓がアルコールを分解するのをサポートする働きが期待できます。また、グレープフルーツやみかんなど柑橘系の果物にもクエン酸が豊富に含まれていることで知られています。
▼酢
酢に含まれている酢酸にも肝臓の機能を高める効果が期待できますので、飲み会の前にはぜひ酢が含まれる食品を摂取しましょう。
◇栄養ドリンクを飲む
▼ウコンの力
ハウス食品から発売されている「ウコンの力」は飲み会の前に摂取する栄養ドリンクとして広く知られている商品です。「ウコンの力」に含まれている秋ウコンの含有成分である微細化クルクミンには、二日酔いを緩和・防止する効果が期待できるといわれています。
▼ノ・ミカタ
「ノ・ミカタ」には、二日酔いに効果があるとされる成分であり、しじみに豊富に含まれている「アミノ酸アラニン」を配合しています。水なしでも飲めるサプリメントですので、飲み会が重なる季節に常備しておくととても役に立つでしょう。
◇自分の適正飲酒量を知る
自分の適正飲酒量の目安を計算する「ほろ酔い方程式」があることを知っていますか。この計算式は、国税庁醸造試験場の佐藤信博士によって考案されました。この計算式で自分の適正飲酒量を把握し、飲み過ぎを未然に防ぎましょう。
・二日酔いしないための飲酒量(ml)
=15×体重(kg)×飲み始めから翌朝目覚めるまでの平均時間(h) / アルコール度数(%)×0.8
[3]二日酔いを防ぐ対策〜飲酒中〜
◇高タンパクなおつまみを選ぶ
タンパク質には、肝臓でアセトアルデヒドを分解する酵素の働きを活性化する効果があるといわれています。アセトアルデヒドを分解する酵素の力をさらに高めるためには、飲み会中のおつまみに高タンパク質ものを選ぶように心がけましょう。チーズや枝豆、焼き鳥などがおすすめです。
◇水を飲む
洋酒の場合は「チェイサー」、日本酒などであれば「和らぎ水」と呼ばれ、お酒の合間に水を飲むことでアルコールの影響を緩和することが知られています。また、アルコールの利尿作用による脱水症状が原因となって引き起こされる頭痛をやわらげる効果も期待できます。
◇飲みながらの喫煙を避ける
喫煙すると、タバコに含まれるニコチンやタールなどを分解するために肝臓に負担がかかるだけでなく、ビタミンCが消費されてしまいます。アセトアルデヒドを分解する際にもビタミンCが必要となるため、飲みながら喫煙するとアセトアルデヒドの分解に必要なビタミンCが足りなくなってしまい、二日酔いを引き起こしやすくなるのです。
[4]二日酔いを防ぐ対策~飲んだ後~
◇シメにラムネを食べる
お酒を飲んだ後は、アルコールを分解するために肝臓が活発に働き始めます。肝臓のエネルギー源は炭水化物などに含まれるブドウ糖なので、働き始めた肝臓の影響で、ブドウ糖が含まれた食材を体が欲するようになります。飲酒後にラーメンなどの炭水化物を摂取したくなってしまうのはそのためです。
しかし飲酒後にラーメンを度々食べていると、塩分や脂肪の過剰摂取による体重の増加が心配になってしまうもの。そんな時には、ラムネ菓子を食べてみてください。ラムネ菓子は原材料に砂糖ではなくブドウ糖が使用されることが多いため、効率よくブドウ糖を摂取することができるといわれており、飲酒後に食べることで肝臓が活発に働く助けとなるためおすすめです。
◇熱めのシャワーを浴びる
お酒を飲んだ後に、アルコールを体外に出そうとして熱い湯船に長くつかるのはかえって逆効果になるため注意が必要です。汗をかくことにより、アルコールよりも先に水分が排出さてしまい、脱水症状を引き起こす危険性があります。熱めのシャワーでさっと全身を温めて腎臓の働きを活発にすることで、アセトアルデヒドの排出を促進しましょう。
◇コップ1杯の水を飲む
お酒を飲んだ後は、アルコールの利尿作用によって喉が乾きやすくなります。飲酒後、寝る前にコップ1杯の水を飲むと、脱水症状を緩和し、頭痛の軽減に役立つといわれています。水だけでなく、水分の吸収が早いスポーツドリンクを飲むのもおすすめです。
[5]二日酔いになってしまった時におすすめの対策
◇二日酔いに効く飲み物を飲む
▼トマトジュース
トマトに含まれるアミノ酸やクエン酸などは、アルコールを分解する酵素の働きを活性化する作用があるため、アルコールとアセトアルデヒドの代謝をスムーズにして二日酔いを緩和する効果が期待できます。またトマトに含まれる、肝臓の働きを促すGABAや、解毒作用があることで知られるグルタチオンなども、二日酔いの緩和をサポートします。
▼スポーツドリンク
スポーツドリンクには、水分、糖分、ミネラルがバランスよく配合されているため、脱水症状の回復を効率よくサポートします。しかし、スポーツドリンクを飲み過ぎてしまうと、糖分過多になることがあるため注意が必要です。1日の摂取量は1リットル未満に抑えるようにしましょう。
▼ヘパリーゼ
ヘパリーゼには、豚レバーを分解した成分を含んだ肝臓エキスとウコンエキスが豊富に含まれています。肝臓エキスにはペプチドやアミノ酸などが豊富に含まれているため、肝臓を構成するタンパク質を効率よく摂取することができます。
◇二日酔いに効く食べ物を食べる
▼バナナ
アルコールを大量に摂取すると、利尿作用によって水分だけでなく電解質も体外に排出されてしまいます。カリウムの欠乏も利尿作用によって現れる症状の一つであり、カリウムが不足すると頭痛や吐き気の原因となります。バナナにはカリウムが豊富に含まれているため、カリウム不足によって引き起こされる症状を緩和する効果が期待できます。
▼シジミの味噌汁
しじみには、肝機能を高めるオルニチンという成分が豊富に含まれています。また、味噌からは大豆タンパクやミネラル、塩分が摂取できるうえに、温かい味噌汁は胃に負担をかけることなく水分を補給することもできます。
▼アロエヨーグルト
二日酔いになってしまった時は、食欲がわかずのどごしの良いものを食べたくなる人も多いでしょう。さっぱりとした口当たりのヨーグルトであれば食欲がない時でも食べやすく、またアロエの主成分であるアロエチンが肝臓の解毒作用を活性化させるため、アルコールの分解を促す効果が期待できます。
[6]二日酔いの時にやってはいけないこと
◇運動
汗をかいても、アルコールを大幅に体外に排出することはできません。アルコールを無毒化して排出するのは肝臓の働きによるものであり、汗と共に汗腺からアルコールが排出されることはほとんどありません。
二日酔いによって体が脱水状態になっている時に運動をすると、発汗によってさらに脱水状態が進行することにより体に痛みを感じたり、最悪の場合意識を失ってしまうことにも繋がりかねません。
また二日酔いの状態の時は、体内に大量のアセトアルデヒドが残っていることにより自律神経が緊張状態のままとなり、血圧が通常よりも高くなっています。そのような状態で運動をすると、心臓に大きな負担をかけることになってしまうため注意が必要です。
◇迎え酒
二日酔いの状態の時は、アセトアルデヒドによって自律神経が刺激され、頭痛や吐き気などの症状が引き起こされます。その状態でさらにアルコールを摂取すると、大脳がまた心地よく麻酔されることにより不快な症状が薄れたかのように感じますが、しかしこれはアルコールによる酔いによって不快な症状を麻痺させているだけに過ぎません。
二日酔いの症状を緩和するためには、体内のアルコールやアセトアルデヒドを排出することが重要です。迎え酒によって体内のアルコール濃度をさらに高めることは、体に負担をかけ続けて二日酔いを先延ばしにしているにすぎず、根本的な解決にはならないためやめましょう。
[7]きちんと対策して二日酔いを防ごう
今回は、二日酔いを防ぐための対策についてご紹介しました。二日酔いを防止・緩和する対策を正しく知れば、つらい二日酔いに悩まされるのを避けることができるでしょう。お酒との正しい付き合い方を知って、飲み会を存分に楽しんでくださいね。