京都を訪れた時には、和ごころに触れる体験をしてみたいと考える人も多いでしょう。そんな時は坐禅に挑戦してみませんか? 京都には坐禅体験ができるお寺が多く、日常の喧騒から離れて心穏やかに無心になりたい時などにとてもおすすめです。そこで今回は、坐禅体験ができる京都のお寺についてご紹介します。京都を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
[1]坐禅とは?
坐禅とは、仏教の修行法の一つとして知られており、姿勢を正して座った状態で精神統一を行うことを意味します。一般向けに行われている坐禅体験では、僧侶が監視している中で坐禅を行います。日常生活の場でも坐禅を行うことはできますが、お寺などの静寂な場で行う方がより高い効果を得ることができると言われています。
◇坐禅の効果
坐禅の効果としてまず挙げられるのは、「心が落ち着く」ことです。普段姿勢に気をつける習慣がない人は、姿勢を正して座るだけで気持ちがシャキッとするような感覚を味わうことができるでしょう。静かな空間の中で姿勢や呼吸に意識を集中させていくと、雑念が取り除かれて心が静かになるとされています。
また坐禅の最中は呼吸に集中することで、一瞬一瞬に意識を向けることにつながるため、集中力が上がる効果も期待できます。最初は少し難しいかもしれませんが、坐禅の時間を長くしていくことで、徐々に集中を保つことができるようになっていくでしょう。
◇坐禅体験をする前に必要な準備とは
▼坐禅ができるお寺を探そう
坐禅に挑戦したい時は、まずは坐禅ができるお寺を探します。大きなお寺はwebサイトを持っている場合が多く、webサイト上で坐禅体験の有無の情報をチェックすることができます。
電話で予約することがほとんどですが、webサイトから予約を受け付けている場合もあります。初めての坐禅が不安な場合は、予約の際に「初心者です」と伝えておきましょう。
▼坐禅にふさわしい服装
坐禅体験では、足を組んだまま長時間座り続けます。そのため、締め付けの少ないゆったりとしたパンツで行うことをおすすめします。
女性はスカートとストッキングを履いていくのは避けてください。坐禅は裸足で行うため、ストッキングを履いていくと脱ぐことができずに困ってしまうこともあるでしょう。また、スカートよりもパンツの方が足が組みやすいため、坐禅に集中しやすくなるという点でもおすすめです。
▼志納料が必要なことも
坐禅体験は、お寺によっては無料で体験できるところもありますが、1,000円~3,000円程度の志納料が必要な場合があります。webサイトから予約する際は、費用が明記されていますので、事前に必ず確認しておくようにしましょう。
[2]坐禅体験の流れは?
◇坐禅の説明
お寺によって多少の違いがありますが、まずは坐禅のやり方について説明を受けます。坐禅をするための心構えや、座り方、姿勢、呼吸法などを丁寧に教えてもらえますので、しっかりと説明を聞きましょう。
◇坐禅
坐禅体験の時間によって異なりますが、一般的に15〜20分程度の坐禅を行います。普段姿勢を正して座り続けることがあまりないという人には少々つらく感じるかもしれません。坐禅に集中できない時やつらいと感じた時は、気合を入れ直して姿勢を正すための警策を受けましょう。
警策とは、姿勢が悪い時に棒で肩を叩かれることを指します。坐禅の最中はずっと僧侶が後ろで見張っていて、姿勢が崩れた時にいきなり叩かれるというイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし坐禅体験では、気合を入れ直したい時に自分から警策を頼むことになっているお寺がほとんどです。そのため叩かれることを心配しながら坐禅をすることはありません。
◇法話
坐禅が終わったら、参加者全員で法話を聞きます。法話とは、仏教の教えに基づいた話を僧侶が分かりやすく話すことを意味します。決まった話があるわけではなく、僧侶自身の体験談を話したり、世間の事件などに絡めた話をすることもあるようです。法話を聞いて仏教の教えに触れたら、坐禅体験は終了です。
[3]京都で坐禅体験ができるお寺おすすめ8選のご紹介!
◇平日でも坐禅体験ができる京都のお寺
▼毘沙門堂 勝林寺(東山区)
ほとんどのお寺では、坐禅体験は土日に実施されています。しかし毘沙門堂 勝林寺では、ほぼ毎日坐禅体験が行われているため、自分の都合に合わせて日程を選びやすく、平日でも坐禅体験をすることができるのです。
このお寺は東福寺の塔頭(たっちゅう)の一つとして知られ、紅葉シーズンなどには観光客で賑わいを見せる東福寺に比べると比較的静かなため、坐禅を体験するにはぴったりな環境だと言えるでしょう。
▼建仁寺 両足院(東山区)
祇園四条駅のそばに位置する建仁寺両足院では、土日だけでなく平日の坐禅会も実施しています。しかし平日の実施は不定期であるため、まずは公式サイトで日程を確認しましょう。
また、こちらのお寺では、坐禅のみの体験だけでなく、坐禅とお寺の掃除体験(茶礼付き)をセットで受けられるコースや、坐禅と庭園散策(茶礼付き)がセットになったコースもあります。
◇有名観光スポットで坐禅体験ができる京都のお寺
▼銀閣寺(左京区)
京都屈指の観光スポットとして知られている銀閣寺でも「講話と坐禅」という坐禅会を体験することができます。佐々木奘堂天正寺住職を講師に、「禅の言葉」「ブッダ言葉」を基に講話の後、坐禅を行っています。
銀閣寺での坐禅会は隔月に1度の開催のため、事前に日程を調べ、京都を訪れる日程を決めたら早めに予約することをおすすめします。
◇宿泊して坐禅体験ができる京都のお寺
▼宝泉寺禅センター(亀岡市)
こちらのお寺の基本修行は3泊4日のコースのため、少し厳しいと感じる人もいるかもしれません。しかし坐禅だけでなく、太極拳や法話などを通じて禅の基本をしっかりと学んだり、自由時間には外出できたりとメリハリのあるコースになっているため、しっかりと禅体験をしてみたい人にはとてもおすすめです。
また4泊以上の宿泊も受け入れているため、中長期に渡ってお寺で過ごして生活改善をしたい時などはぜひ訪れてみてください。
▼鹿王院(右京区)
足利義満が1379(康暦元)年に建立した宝幢寺の開山塔が寺院の起源とされている歴史深いこの鹿王院では女性限定の宿坊が備えてあり、宿泊者は坐禅体験ができます。坐禅や法話が行われない日もあるので予め確認することをおすすめします。
お食事もおいしいと評判で、美しい庭園と歴史あるお堂に囲まれ時が止まったような体験が可能です。
◇外国人におすすめの英語で坐禅体験ができる京都のお寺
▼妙心寺 春光院(右京区)
妙心寺の塔頭寺院である春光院では、毎日英語で坐禅体験を実施しており、外国人観光客から高い人気を集めています。お寺の中にある文化財についても英語で丁寧に説明してくれるため、日本文化に初めて触れる外国人でも楽しむことができるでしょう。
◇写経と坐禅を合わせて体験できる京都のお寺
▼南禅寺(左京区)
南禅寺では、第2、第4日曜日に坐禅会があり、それに加えて毎月15日には写経体験も実施しています。観光スポットとして絶大な人気を集める南禅寺で、時には観光だけでなく坐禅と写経を行えば、普段とは違った南禅寺の魅力を発見できるかもしれません。
▼天龍寺(右京区)
世界遺産にも登録されている天龍寺では、坐禅だけでなく写経を体験することもできます。坐禅は毎月第2日曜日のみですが、写経は申し込みをすれば随時体験することができますので、坐禅と写経を同時に行いたい時は、坐禅の日程に合わせて訪れてみましょう。
[4]坐禅体験で心洗われるひとときを
今回は、坐禅体験ができる京都のお寺についてご紹介しました。雑念を取り払い、静けさの中で坐禅に取り組めば、身も心も洗われるような感覚を体験することができるかもしれません。お寺で坐禅を体験し、深い思考の中で自分を振り返る時間を持ってみませんか。